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中小企業のPR戦略「メディア露出を雪だるま式に増やす広報戦略」
11ネット 顔の見える士業等のネットワーク
有限会社プリズム PRプランナー 妹尾浩二

 中小企業の経営者の方から「うちはこの前○○○ニュースに取り上げられた」、「〇○○新聞に載ったことがある」という話を聞くことがあります。メディアに露出すれば自社の情報が拡散しますので、嬉しいことではあります。しかし、その露出が一回きり、あるいは年に一、二回で終わっているとしたら、広報としての効果は限定的です。メディアに取材され、記事や番組内で紹介されたこと自体は大きな成果ですが、それが単発で終わってしまっては、社会での評価やビジネスの成長につながりにくいのが現実です。
 本当に力を発揮するのは、長期にわたって五月雨(さみだれ)式にテレビや新聞、Webメディアなどに登場するようになったときです。露出が重なれば重なるほど、「あの会社、最近よく見るな」「社会的に評価されている企業なんだな」という認識が広がり、あなたの会社に関心を持つ人は指数関数的に広がっていきます。社会的な影響力がまさに「雪だるま式」に大きくなるのです。
 ところが現実には、何年にもわたって継続的にメディア取材を獲得できている企業は決して多くありません。その原因の一つは、プレスリリースなどのメディア向け情報発信が継続して行えていないことです。新商品の発売前だけ、あるいは大きな出来事があったときだけ情報を出しても、記者の記憶には残りません。継続して発信していないと、存在感が徐々に薄まっていくのです。
 二つ目の原因は、新聞社やテレビ局の記者、編集者との信頼関係が築けていないことです。メディアも個人の集まりです。担当記者に「この会社に連絡すれば、きちんとした情報がもらえる」「あの社長の話は聞いてみる価値がある」と思われるかどうかが、その後の取材頻度を大きく左右します。
 三つ目は、実際に取材に来てくれた記者に対して、適切な情報を提供できなかったケースです。数字や背景、社会的な意味づけが不足していたり、話が抽象的すぎたりすると、記事化しづらくなります。そんな会社からは記者の足が遠のくでしょう。
そのほかにも、リリースの情報が自社の宣伝に偏りすぎている、タイミングが悪い、担当者が頻繁に変わる、mailや携帯電話へのレスポンスが遅いなど、様々な要因が重なっている場合も少なくありません。
 一方で、私共のクライアントであるK社は、商品・サービスのリニューアルや社内のシステム改革に取り組み、年間数十回のプレスリリースを継続的に発信してきました。その結果、10年以上にわたりさまざまなメディアから毎月のように取材依頼が絶えず、ローカルや全国で記事や番組として露出を続けています。ここでは「記事が記事を呼ぶ」「取材が取材を呼ぶ」という好循環が生まれているのです。
 断続的に頻繁に様々なメディアで取り上げてもらえる。その効果は、単に集客や顧客層を広げるだけにとどまりません。社会的信頼性が高まり、金融機関や取引先からの評価が向上し、さらには「あの会社で働きたい」という人材の獲得にもつながっています。広報は自社の商品を売るためだけの手段ではなく、経営基盤そのものを強くする、戦略的な投資だと言えるでしょう。
 最後に強調したいのは、経営者や広報担当者の人間性です。明るさ、気遣い、正直さといった姿勢は、必ず取材現場で記者たちに伝わります。感じの良い対応が「また取材したい」という気持ちを生み、それが次の露出につながります。メディア露出を雪だるま式に増やす広報戦略とは、仕組みと同時に、人としての信頼を積み重ねていく営みなのです。

以上
 
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