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中小企業のPR戦略「プレスリリース一斉配信がベストではない」
有限会社プリズム
 PRプランナー 妹尾浩二
 http://www.prism-shikoku.com

 皆さんは、自社でPRしたい案件があるとき、どのような方法でマスメディアに伝達していますか?
 発表日を決めて、地域の経済記者クラブや業界の記者クラブに出向いてリリースを投げ込むときもあれば、大量にコピーし封筒に入れて、各社に郵送する場合もあります。写真が必要ないときはFAXで済ませるときもあります。WEB上のプレスリリース無料掲載サイトなどにリリースの内容を掲載するというときもあるでしょう。
 でも、苦労して一斉配信したとして、そのうち何社かに報道されれば良いのですが、一社も取り上げられなかった、という経験も多いのではないでしょうか。私もクライアント企業のプレスリリースを100社以上に一斉に郵送したのに、その後ほとんど取り上げられず悔しい思いをした経験が、幾度となくあります。
 プレスリリースは、一斉配信しなくてはいけないという絶対的な決まりはありません。
 記者たちは基本的に、企業からのリリースは記事を書く“きっかけ”としか考えていません。もちろんリリースからも記事を書きますが、その情報だけでは、たとえ掲載されてもほんの小さな記事にしかならないことが多いのです。
 記者は誰でも、ジャーナリストとしてのプライドを持って働いています。興味を持ったことを取材などで掘り下げて、独自に記事を書くことを好みますし、それが仕事と考えています。
 その素材自体にもよりますが、各メディアに同時に 同じ条件で配布された情報に喜んで飛びつくような記者はほとんどいません。他のメディアにも流れているのであれば他社が書くだろうと考えて、よほど興味がわく内容でなければ「自分が書くべき内容だ」とは思ってくれません。
 プレスリリースの一斉配布は、より多くの記者に効率的に情報を知ってもらえるうえ、フェアな情報開示の面から適切な伝達方法であることは間違いありません。上場企業であれば、経営に重大な影響を及ぼす情報などIRに関するプレスリリースは、東京証券所の記者クラブ(兜クラブ)をはじめ、業界関連の主要なメディアが属する記者クラブに一斉配信することがルールになっています。
 もちろん、非上場の中小企業であっても、できるだけ多くのメディアに報道して欲しいとき、特定のメディアだけに渡すのはもったいないと思うのも無理のないことです。ただ、報道されなければそれはメディアへお知らせしただけで、読者や視聴者に知らせるという目的は達成されません。
 リリースの発信は、そもそも記者の向こうにいる多くの読者や視聴者に伝えるのが目的のはず。であれば、発信のたびに、どのような手法で、誰にアプローチすべきかをよく検討する必要があります。
 情報を知ってほしいターゲット層が明確であれば、その層が最もよく目にするメディアを最優先してアプローチすることです。動きのある画があってテレビニュースになりそうな情報であれば、テレビに絞った企画案を作って特定のテレビだけに持ちかける。旬の話題にあやかった新商品であれば、周辺の情報も巻き込んだ特集記事を狙って特定の記者に提案するなど様々な手法が考えられます。
 結果的に1社しか報道されなかったとしても、その取り上げられ方は一斉配信のときとは扱いが違うはずです。1社の報道を他のメディアが見て後追いで取材が集まり、結果的に多くのメディアでニュースになった、というケースもあります。
 プレスリリースは一斉配布が必ずしもベストではない、ということをぜひ覚えておいてください。
以上
 



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